【「第29回JIA東北建築学生賞」入賞】
10/30(木)せんだいメディアテークで開催された第29回JIA東北建築学生賞において、本学科の3年の立花美和さんが最優秀賞を受賞しました。
最優秀賞
「結んで開く」 3年 立花美和
3年演習課題山形中心市街地リノベーション演習からの選出です。


設計主旨
御殿堰――かつて山形城へ水を引くために整備されたこの水路は、長い時を経てもなお、山形のまちなかに静かに息づいている。かつての水の流れは、今では道路として埋め立てられ、姿を失った場所も多いが、その痕跡は人々の暮らしやまちの記憶の中に確かに残っている。
七日町御殿堰および十一屋向かいの堰は、市の手により再整備が行われ、堰の拡幅や周辺建築の新築を通して「水とまち」が再び結びつく場所として生まれ変わった。現在は新たな「粋七プロジェクト」として、御殿堰周辺の再開発が進められているが、その多くは建物の解体や道路拡張を伴う、大規模で画一的な都市整備に傾いている。
本計画では、かつての御殿堰がそうであったように、人々の暮らしに自然に溶け込むヒューマンスケールの堰空間を再び提案する。街の中に点在する小さなヒューマンスケールの場が、やがてゆるやかな連なりとして「流れ」をかたちづくる。その流れが、かつて水が通っていた御殿堰の記憶を新たなかたちでよみがえらせる。水の流れを軸に新たな滞留と交流を生み出し、御殿堰が再び日常に開かれ、暮らしのリズムをやさしく映し出す存在となる未来を描く。
